眼瞼下垂とは
まぶた(上眼瞼)が正常な位置よりも下がってしまう状態です。まぶたを上げる筋肉や腱の機能低下、または神経の障害などが原因で起こります。
● 視界が狭い
● まぶたが重い
● 目がはれぼったくみえる
● 目が開けにくく年々小さくなってきた
● 肩こり、偏頭痛がある
● 上まぶたがくぼんできた
【症状】
まぶたが重い、見にくい
上方の視野が狭い
眉毛を挙上したり、首を後ろに倒したりして見る
眠たそうな見た目になる
【原因】
まぶたを上げる筋肉(眼瞼挙筋)が衰える
筋肉からまぶたへ力を伝える膜(挙筋腱膜)がゆるむ
筋肉に指令を出す神経の機能が落ちる
まぶたの皮膚がたるむ
【治療】
眼科で保険診療による治療が受けられる
皮膚を切開して眼瞼挙筋を短縮し、まぶたを引き上げる手術を行う
【注意点】
重症筋無力症、脳梗塞、脳動脈瘤、脳腫瘍、動眼神経麻痺といった重篤な病気によって生じる場合があるため、精査が必要です
進行するとまぶたが黒目(瞳孔)の大半を覆い、日常生活に大きな支障をきたすおそれがあります
眼瞼下垂の治療法には「保険診療」と「自由診療」があります。美容目的の場合は基本的に自由診療となります。
よくあるご質問
1)手術は保険適応ですか?
A.当院では、保険適応での手術を行っています。そのため、基本的には、症状のある方を対象としており、目を大きく見せたい、という美容目的の手術は自由診療の料金となります。
2)費用はどれくらいかかりますか?
A.3割負担で、片側につき2万5千円程度、両側で5万円程度です。
3)術後はしばらく眼帯が必要なのですか?
A.当院では、手術当日のみ創部にガーゼをあて(視界の下半分は保たれます)、翌日からは何もあてておりません。きずをこすらなければ洗顔も問題なく、もちろん眼帯は不要です。腫れや皮下出血をカモフラージュするためにサングラスなどを使用する方もいらっしゃいます。
4)術後はどのような変化が起こりますか?
A.まぶたは非常に腫れやすいため、ほとんどの方で腫れが必ず起こります。その他、特に高齢の方や出血が止まりにくくなる薬を飲んでいる方では、皮下出血(あざ)がかなり強く出ます。人によっては、一時的に涙や目やにの量が増えたり、逆にドライアイになることもあります。これらはほとんどが一時的なものであり、時間経過とともに症状がなくなります。また、頻度は少ないものの、視力の変化(極端に変わるわけではありません。よくなることも悪くなることもあります)を自覚する方もいらっしゃいます。
5)腫れはどれくらいで引くのですか?
多くの場合、腫れは手術翌日に最も強くなり、その後徐々に引いてゆきます。お薬などの影響で目が開きにくいほど腫れる方もいらっしゃいますが、2-3日で日常生活には問題ないレベルに改善します。1~2週間程度で腫れはおおむねなくなりますが、まれに1か月近く続くこともあります。また、軽度のむくみは2~3か月続くことがあります。
6)片側の症状が強いのですが、両側同時に行うのでしょうか?
例えば明らかに左だけ症状があり、右側は正常、という場合には、左のみ手術を行います。しかし、左が強いものの、右にも症状がある場合、左だけの手術を行うと、術後に右側の眼瞼下垂が目立ってくることがあります。そのため、両側に症状がある場合は、左右差があっても、両側同時に手術を行うことをお勧めしております。